塗料の魅力
自分の考えや経験を生かせるのが塗料の魅力
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北焼 素 |
入社以来、木質建材用塗料一筋でやってきて、現在はフローリング用のUV塗料の技術開発に関わっています。UV塗料は塗装した後に紫外線を当てると瞬間的に固まるというもので、これを利用することにより建材メーカー様にとってはスペースの削減や生産性の向上が得られます。また、従来の塗料より汚れや傷が付きにくく、溶剤を使わないので環境にもやさしい塗料です。
フローリング用塗料の分野でも、国内の約半分のシェアを占めているので製品のクオリティには自信を持っていますが、それでもいろいろ難しい面はあります。たとえば建材メーカー様の生産ラインが各社ごとに異なるために、同じような仕上がり、性能でも塗料配合や塗装仕様を変えなければならないこと。開発した塗料を私たちが指定した方法で塗ってもらえれば、性能をフルに発揮できるのは当たり前のことです。しかし建材メーカー様の要求性能を満たす塗料を生産ラインに乗せたときにどこまで合わせられるか、そこが勝負なんです。自分たちのところでいい塗料ができたと思っていても、お客様が実際に塗ったとき完璧なものになるかはわかりませんから。
また、この塗料を使用するのは建材メーカー様ですが、最終的な使用者はその建材が使われた家を購入される方だという点が、船舶用塗料との大きな違いであり木質建材用塗料の特色でしょうね。
そういった点を踏まえて塗料の面白さは何だろうと考えると、「半製品」であることではないでしょうか。全く同じ配合の塗料でも、お客様の塗装方法や評価基準の違いで答えが変わってしまう。そして改良方法がひとつではなく無限にあることですね。形の決まっている最終製品を作るところだと物理的な制約などがありますが、塗料にはそれがありません。そのため、自分の考えや経験を生かしやすいというのが塗料の魅力なのだと思います。
「何でもやらなくちゃいけない」は「何でもこなせる」ということ
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中国塗料の研究職はただひらすら研究のみを行っているわけではなく、お客様と接する機会も多いのが特徴です。例えば私の場合、原材料の調査から市場調査、お客様の実験に立ち合ったり、場合によっては当社のUV塗料が塗られたフローリングのあるご家庭に足を運ぶことまでしています。規模の大きな会社だったら仕事がもっと細分化され、より専門的な仕事のしかたになるのかもしれません。中国塗料の場合は研究職といえども1から10までやらないといけないといった面があるので、研究だけに専念したい人には向いていないかもしれませんね。ただ、何でもやらなくちゃいけないというのは何でもこなせるということでもあるので、私はこういったスタイルで仕事ができることを楽しんでいます。
後輩には、自分が10年かけて学んだことは5年で教えるという方針でやってきました。残りの5年は自分で模索し、新たな道を築いていってくれればと思います。新しいことにチャレンジしたいという思いを抱いている後輩と一緒に働けたらうれしいですね。
仕事と学業を両立して博士号を取得
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大学は繊維学部という日本でも数えるほどしかない珍しい学部の出身なのですが、思い返すと、繊維の勉強をしたいという明確な意志でその学部を選んだわけではなかったように思います。ただ、昔から「自分の手で何か作り上げてみたい」という思いは抱いていたので、それを実現できそうな学部ということで惹かれたんでしょうね。実際に学んでいたのは繊維ではなく高分子、特に酵素に代表されるタンパク質なんですが、研究室に配属されるのは4回生になってからでした。ですので、自分のやりたい勉強を専門的に学べると思っても、わずか1年で卒業です。そこでもっと勉強したいと大学院に進み、その後中国塗料に就職しました。
中国塗料で念願の「モノを作る」という仕事に関われるようになりましたが、もう少し自分の幅を広げたいと思っていたところ、ちょうど大学の恩師の先生が声をかけてくれたこともあり、働きながら大学院に戻って博士号の取得を目指すことにしました。平日は仕事、土日は大学という二足のわらじが何年か続いたのですが、最後だけは追い込みの時期ということで、休職して学業に専念させてもらいました。その結果、苦労の甲斐あって博士号を取得できました。塗料というのは高分子の樹脂などの原材料を使うので、それらの動きや背景がしっかりとした知識として自分の中に組み込まれたことは、仕事の面で大きなプラスになっています。


